web拍手ネタ〜弓子編〜1

※この辺りは基本士アチャ子です


1 (椎名)


「なあ、アーチャー、お前さ…最近だんだん乙女言動が板に付いてるの気付いてるか?」
「なっ!? なにを!!? そそそれはおマエがわたしをベツジンであり女としテあつかうとかいったから吹っ切れただけだろうが!?」
「うあそんな全力で…」
「あーーーもう! 全部お前のせいだ衛宮士郎!!」
「俺っ!?」
「たわけっ! 他に誰がいるかっ! 責任取ってもらうからな!」





2 (椎名) 

「……に………に、に、ににぃさ……あーーもう!! なにが悲しくて私がお前をに……に……にぃさんなどと呼ばねばならんのだ!?」
「しかたないだろー!?藤ねぇには親父が養子に取ってた俺の妹ってことで納得してもらってるんだからさー。」
「それはそうだが……しかしかなり抵抗があるのだがな……」
「そうか?俺は割とすんなり……」
「……それは……既に私を妹と認識していると……?」
「いやその別にそういう訳では!!?」
「ふん……別にかまわんがね……妹だろうが姉だろうが……」
「ちち違うぞ!?アーチャーはほら!妹でも只の妹じゃなくてだな!

 大事な妹なんだ!?」

「……大して変わらんだろうたわけ……」





3 (ペキ)


「何をもたもたしている?さっさとこないか、衛宮士郎」
「いや、ちょっと待て……えーとこれとか……」
「? 何をやっているんだ。先ほど、準備は出来たといっていなかったか?」
「いや、俺じゃなくて……よしこれならいいか。ほら、これ」
「……で、これはなんだ?」
「いや、だから上着。そのカッコ、寒いだろ?」
「……だから、何度も言うように、サーヴァントにそのような気遣いは……」
「だって、受肉してるってことは、五感があるってことだろ? 平気かもしれないけど、寒いことには変わりないじゃないか」
「着たくない、といっても了承しなさそうな顔だな……それは」
「ああ。俺が、平気じゃないからな。アーチャーの寒そうなの見るの」
「……ふん、仕方ない。しかし、次回はこのようなものなど着ないからな」
「ああ。今日は間に合わせだから。次に備えて、もっと良いの買いに行こうな」
「……! だから、なんでそうなる!?」





4 (椎名) 


「で、今回は直球勝負ってことだけど……」
「それはどうでも良いのだが……なんで私まで……」
「んー、人手不足?」
「人手……だからといって何故私なのだ! ランサーとかでも良かっただろう!」
「……つまりアーチャーは俺がランサーに○○されたり△◇っても良いと?」
「私の知った事か」
「ひど!間接的には自分の事なんだから少しは嫌がれ!」
「な!貴様がそれを言うか!私の事など姉かい……妹ぐらいにしか思っていないくせに!」
「え?そんな事ないぞ?俺アーチャーの事は好きだし。(天然)」
「……貴様……分って言っているだろう……」





5 (椎名) 


「アーチャー、前から気になっていたんだけど……」
「なんだ?」
「その……アーチャーは一応女の子、だよな……」
「?……何が言いたいのか分らないが……性別という意味ではそうだな」
「じゃ、じゃあ聞くけど、お前の真名ってやっぱり『士郎』なのか?」
「なっ! 何をいきなり!?」
「いやほら、女の子で『士郎』はやっぱりおかしいだろ?」
「……断る……」
「へ?」
「仮に違うとしてもだ。お前におっ……女の名前で呼ばれるなど耐えられるか!」





6 (椎名) 


 祭りへ行こう、と初めに言い出したのは遠坂だった。
 毎年開かれる夏祭り。
 タコ焼きに焼きそば、わた飴りんご飴チョコバナナ等々。
 定番の屋台も数多く立ち並び、ささやかながら櫓を組んでの本格的な盆踊りも行われたりする。
 こういったイベントの好きな衛宮家の女性陣は、こちらが意見を言うまでもなく準備を初めて臨戦態勢を整えている。
 先ほど最後の仕上げでカンザシを引っ張り出したり、帯を整えたりしていたのでそろそろ出かけるのだろうかと思って心の準備をしていたのだが。
 何やら一旦部屋へ引っ込んでどたばたしているなぁと新聞を読みながら待っていると。

「り、凛! やはり私はいつも通りで……」
「あらいいじゃない、雰囲気出てるわよ?」
「とっても似合ってますアーチャーさん」
「見違えましたアーチャー」

 そんな声が聞こえ。
「士〜郎! 見て見てー!」
「ちょ、ちょっと待て凛!」

 遠坂に引っ張られて部屋に入ってきた人物。
 まず目に飛び込んできたのは、見れば目にも鮮やかな白。
 上品な赤のヒナゲシをあしらい、淡いピンクの帯で纏め上げられたふんわりとしたコントラストが、褐色の肌に良く映えていた。
「み、見ろ! 奴も呆れているではないか! やはり着替えて……」
 何時に無く顔を真っ赤にして動揺しているアーチャーの浴衣姿。
 それが虚像で無い事を理解するのに数秒を要し。
 そんな俺の様子がよほど可笑しいのか、遠坂はくすくすと不適な笑みを浮かべた。
「なぁに? 士郎ってばそんなにアーチャーの浴衣姿に見とれちゃって。気に入った?」
 言われ自分が呆けた顔をしていたんだと気が付いて。
「あぁ、正直ドキっとした」
 思わず漏れた本音に、アーチャーはなぜか一瞬硬直して。
「な……待て! お前がそのように反応するのは可笑しいだろう!」
 俺の襟首を掴んで捲くし立てた。
「なんでさ。すごく似合ってると思うぞ?」
 負けじと言い募った俺に、アーチャーはしばらく唸ってこちらを睨み吸えていたが、やがて何か諦めたように大きく溜息を吐いた。
「言ってろ……たわけ……」
 ぽそりと呟かれた声は、ようやく聞き取れるぐらいだった。
「はいはい。その辺りにしといて、そろそろ出かけましょ?」
 笑いを堪えきれないらしい遠坂の一言で、ようやく俺達は祭りへ出かける事にした。


 会場へ近づくにつれ、お囃子や太鼓の音が次第にはっきりと聞こえて来た。
 唯一男の俺としては、浴衣で着飾った、しかもかなりレベルの高い女の子数名に囲まれて、さてどうしたものかと目のやり場に困っていたりするのだが。
「士郎ー早く行こうよー。わた飴なくなっちゃうよー?」
「む、それはいけない。急ぎましょうイリヤスフィール」
 すっかり浮かれ気分の外国人女子二人。
 それに対して……
「アーチャー?」
 振り向けば俺の数歩後ろ。
 何時もなら颯爽と歩を進めるアーチャーが、今日はなぜかもたついている。
「気にするな。慣れない草履で少々歩き辛いだけだ」
 見ればアーチャーは、パタパタと小さな足音を立てて一生懸命歩いている。
「ふむ……やはり普通のサンダルにでもして来るべきだったか……」
 そんな様子が、どこかひどく可愛らしく思えて。
 気が付けば俺は、アーチャーの手を取っていた。
「な……!ちょっと待て士郎!」
 動揺して手を振り解こうとするアーチャーを、俺は半ば強引に固く手を握る事で阻止した。
「はぐれたら拙いからな。ゆっくり歩くからちゃんと付いて来いよ」
 白々しくそんな事を言って、ぐいとアーチャーを強すぎないように引っ張って歩く。
「そ、そいういう問題ではっ……!」
 何か言いかけて、アーチャーはむぅと小さく唸り声を上げた。
「……後で覚えていろ……」
 上目遣いで恨めしそうに言いながら、それでもちゃんと付いて来てくれるアーチャー。
 ちょっと離されてしまった皆に追い付こうと、俺たちは少しだけ歩を早めた。





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