槍弓    BY椎名


       いつもと変わらぬ午後でした。 9



※今更過ぎるアテンション。
この話はfate本編をベースにしてはいますが、時系列等に多少の矛盾が生じております。
仕様ですのでご了承下さい。




翌朝。
境内に差し込む明かりを瞼に感じ、ランサーは目を覚ました。
ちちち、と小鳥が心地よい声で朝を告げ、眩しい朝日が目を開けずとも晴天を教えてくれる。
「んー」
 眠い目をこすり、ふと思い至る。
 境、内?
「……あー?」
 むくりと起き上がり、状況を確認しようとして。
「……あ、れ?」
 隣で寝ていた人物の姿を視界に納めた途端、ランサーの中で世界が凍りついた。
「あっれー?」
 寝ぼけ眼を何度擦ってみても、視界には可愛らしい寝顔を向けているアーチャーの姿しか入って来ず。
 落ち着けオレ、オレはドコここは誰。
 パニックになりそうにガンガンする頭をなんとか抑え、状況を把握しようと試みる。
 とにかく一度目を閉じて、むー、と唸って一度心を落ち着かせよう。
 ここは一つ、昨晩の記憶から辿ってみようじゃないか。
「確か……アーチャーと酒飲んでたんだよな、そこまでは覚えてるんだが……」
 持参した酒が中々に上等な美酒だったのも覚えているし、ようやっとアーチャーと手を繋ぐまでに至ったのも覚えているのだが、はて。
 酒が無くなり、その後どうしたのだったか。


「おや? あなた方は……」
 しまったと思った時には遅かった。
 声を掛けてきた人物が山門を通り境内へ入って自分達を見上げるまで気付かなかったのは、偏に他愛のない会話の楽しさに現を抜かしていたからというだけではなく。
 彼が武術の心得のある人物で、物音を殆ど立てずに歩いていたからというのも要因ではあったのだろうと後に分かったのだが、それでもここまで近付かれるまで霊体化して姿を消すのを失念していたというのは、はやり気が緩んでいたと言う他なかった。
 せめてもの救いは、互いに何時もの武装ではなく、ランサーは私服、アーチャーもあの赤い外套は纏っていない比較的この時代に馴染んだものであったという事だろうか。
「あ、ええと……」
 反応に困っていると、この寺の修行僧と思しき作務衣姿の男は、にか、という擬音がぴったりな笑みを向けて来た。
「あぁ、そんな所で飲んでないで縁側まで降りてきてはいかがかな?今夜は冷える。屋根の上より幾分月見酒には快適だと思いますが?」
 屈託のない笑みでそう言われ、二人は顔を見合わせてどうしたものかと迷っていると、男は顎に手を当てて何やら呟いた。
「しかし葛木殿も人が悪い、あの金髪美人以外にもお客人が来るならそう言って貰えばもう少し早く帰って持て成したものを」
 なるほど、セイバーはそういう扱いであるらしい。
「いや、私達は急に招待に預かった身ですので。こちらこそ急に押しかけて申し訳ありません」
 流石のアーチャーの機転に、内心親指立てるランサー。
「そうでしたか。おっと、申し遅れました。この寺で修行僧をしております零観といいます」
 深々としたお辞儀は、嫌味のない清々しいもので、二人も揃って会釈を返す。
「ご丁寧にどうも。私はアーチャー、こっちは……」
「ランサーだ。よろしく」
 どうやら今の短いやり取りだけで、ランサーはこの零観という男が気に入ったようだ。
「ほぉ、これはまた面白い……失敬、珍しい名前ですなぁ」
「よく言われます」
 苦笑まじりに頷くアーチャーの様子がやけに親しげな物であるのを見て、ランサーは軽く息を吐く。
 そういえばあの少年、衛宮士郎はこの寺の住職の息子と思しき生徒と仲が良かったようだが、ひょっとしたらこの零観とやらとも、生前親しくしていたのかもしれない。
「葛木殿達は?」
「先に休まれてしまった様です。それで我々はこの場をお借りして飲ませてもらっていたのですが」
 その言葉に、零観は何を思ったかにっと笑みを浮かべて目を細めた。
「それは丁度いい。私も一杯やってから寝ようと思っていた所だったんですが、よかったら付き合って頂けますかな?」
 アーチャーは一瞬戸惑いをみせ、ランサーの方を伺った。
「オレは構わないぜ。美味い酒が飲めそうだしな」
「これは奇遇ですな。私も貴方の様な男と酒を飲むのが何よりの楽しみでしてね。結構行ける口とお見受けいたしますが?」
「言うねぇ、自慢じゃないが、故郷じゃちょっとした酒豪で知られてるって自負があるんでね。とりあえず目下のモンの誘いは断らねぇ主義だ」
 主義、というより俗に言う私ルール(強制)だったりするのだが。
「まぁ、そいう事なら、私も付き合わせて頂くとするよ。しかし残念ながら、こちらは既に酒を切らしてしまった所なのだが」
「それなら心配ご無用。寺の蔵には酒など腐る程ありますからな」
「それはそれは。では、お言葉に甘えて」
 そうして、なんだか良く分からない妙な組み合わせの男三人によるささやかな……いや、割と賑やかな宴が始まったのだった。


 と、そこまでは思い出せたものの、その後の記憶がいまいちはっきりしない。
 何がどうしてアーチャーと同衾しているというのだろうかと自問自答する事暫し。
「ん……ランサー、起きたのか……?」
 眠たそうに目を擦りつつ、アーチャーが目を覚ました。
「お、おう、お、おはよう?」
「……おはよう、どうしかしたか?」
「いや、何でもねぇ」
 やばい初寝起きだコレ前髪垂れててかわいいなちくしょう襲いてぇとか何とか軽く錯乱気味の頭でどうにか返事を返し、ランサーは何とか布団から起き上がった。
「なぁ、なんでオレこんなところで寝てるんだ?」
「なんでも何も。昨晩は寺の者が寝床を用意してくれたのだろう」
「そ、そうだっけ?」
「そうだ。布団はもう畳んでしまって構わんか?」
「あぁ、手伝うぜ」
「なら、そっちの枕カバーを……」
 あーちょっとまてなに髪の毛くしゃくしゃとかしてんだよこらかわいいなこら。
 なんて事をランサーが考えてるなどとは露ほども知らないであろうアーチャーも、むくりと起き上がって布団を畳み始める。
 客人用ということで貸し出された浴衣姿で。
 布団を畳む為にかがんで緩んだ襟元から除く肌が妙に艶かしくて思わず 喉がごくりと鳴った。
 待て待てオレ何野郎相手にこんなみっともなく発情してんだおい。
 とにもかくにも言われた通り枕カバーを外し、次いでアーチャーがシーツを外し終わった布団を畳み、ひとまとめにして部屋の隅へ寄せておく。
 一つ分の布団を畳むのはあっと言う間だった。
「まぁ、どこに仕舞うのか分らないからな、後で誰かに声を掛けておこう」
「おう、そう、だな」
 綺麗に纏められた布団を眺め、ふとランサーはある事に気が付いた。
「なぁ、何で布団、一つだけだったんだ?」
 それ以上に、何故同衾などしていたのか、正直未だ思い出せずにいた。
「それは……布団を借りようと思ったら空いているのが1組しか無かったからだろう」
「いや、そりゃご尤もだがよ」
 もやもやとした物を抱えつつ、特にする事もないのでランサーは取り合えず畳の上にどっかりと胡坐を掻いて座り込んだ。
 体調は……起き抜けに少々頭ががんがんするような重さはあったものの、今の所概ね良好、不調を訴える箇所も見当たらない。
 そうして寺の小坊主よろしく座禅を組むではないが、どこか厳かな雰囲気のある広い畳の静かな一室でじっとしていると、だんだん頭もすっきりとしてきて、昨晩の記憶も次第にはっきりとしてきた。



 場所を縁側に移し、男三人月を仰いでのささやかな酒宴がはじまった。
 初めのうちは、他愛の無い会話に花を咲かせるのみだった。
 だが次第に何やらランサーと零観は組み手を始め、何やら暑苦しい友情が芽生えた様だった。
 そのうち冗談雑じりの酒の飲み比べ勝負まで始めてしまい、アーチャーはただただそんな二人の様子を酒をちびちびやりながら眺めていたのだったが。
 いくら酒豪であろうと、人の身である以上酒の飲み比べではどう足掻いても英霊、それも方や生前よりの大酒飲みに勝てる筈も無く。
 零観が持ってきた酒瓶数本が空になる頃には、すっかり気持ち良さそうに縁側で大の字になって寝こけてしまった。
「あーあ、ちぃとやり過ぎたかねぇ」
「やりすぎだ。いささか大人気ないとは思わなかったのかね」
 呆れ顔で空いた酒瓶を片付けているアーチャーに、ランサーは肩を竦めて楽しそうに笑う。
「まぁいいじゃねぇか。楽しい酒だったんだ。それで十分だろ」
「……まぁな」
 いいつつ今宵であったこの友人をどうやって部屋へ連れてってやろうかと考えていると、ふいにキャスターが廊下を歩いて来る気配を感じた。
 間もなく縁側へやって来たキャスターは、何時ものローブ姿ではなく、膝下丈のフレアスカートにカーディガン、レースのショールという、いかにも品の良い近所の奥様といった井出たちだった。
 なるほど、これがキャスターの周囲に溶け込むのに選んだスタイルらしい。
「よ、邪魔してるぜキャスター」
「とっくに知っていてよ。まったく……休戦したとは言えその日の内に乗り込んで来るなんてどうかしてるんじゃなくて?」
「いいじゃねぇか。大体オレぁアーチャーに会いに来たんだ。アンタに用はねぇんだよ」
「言ってくれるわね招かれざる客のくせに……零観様も零観様よ、こんな連中と何の疑いもせず初対面でお酒を飲み交わすだなんて信じられないわ」
 なるほど、どうやらこの二人、根本的な所で愛称が悪い様だった。
「それはそうと…アーチャー、とにかく零観様をお部屋へお連れして頂戴。このままではお身体に障るわ」
「やれやれ……承知した」
「部屋の場所は分かるわね」
「あぁ、問題ない」
 横になっていた零観を起こさぬように抱き起こし、背中におぶせて部屋までの廊下を歩く。
 なんとなくランサーもついて行き、零観の自室に既に用意されていた布団へ寝かし付けるのを手伝った。
 規則正しく寝息を立てる零観を見守りつつ部屋を出ると、廊下ではほとほと呆れ顔のキャスターが待ち構えていた。
「あなたたちも面倒な事をしてくれたわね……せっかくアーチャーの事も寺のものには隠しておく積もりだったのに台無しだわ。よりによって一般人に見つかった挙句酒盛りだなんて……簡単に誤魔化しきれないわよ?」
「あー、悪かったな、こっそり帰るはずが盛り上がっちまってよ」
 頭の後ろをかきかき差ほど悪びれた様子もないランサーに、キャスターは溜息を漏らしアーチャーは気まずそうに視線をどこへともなく泳がせる。
 しかし次にキャスターが発した提案は、二人にとっては意外な内容であった。
「もういいわ……面倒だからあなたも今夜は寺に泊まりなさい。寺の者達には朝になってあなたがいても違和感を感じない様に軽く暗示を掛けておいてあげるわよ」
「……いいのか?」
「下手に記憶を消すような小細工をするより楽なのよ。言っておくけれど、今夜黙っていてあげたのも宗一郎様のご友人である零観様に免じてである事、努々忘れないで頂戴」
 ふぁさ、とキャスターがショールを翻すと、辺りが薄桃色の霧の様な魔力の奔流に包まれた。
 おそらく魔術に縁のない者は視認すらできないであろうそれは、桐洞寺全体を包み込み、やがて静かに大気中へと消え去った。
「これでこの寺の者が貴方達を見ても、セイバーと一緒に来ていた客と認識する筈よ。その積もりで振舞うといいわ。それと……貴方は早いところ退散する事ね」
「へいへい。言われなくともその積りだ」
 あぁそう、とランサーに言い捨て、今度はアーチャーに向き直る。
「アーチャー、貴方も見張りの役目を忘れていた訳ではなさそうだから今回は不問にしてあげるわ。次はないわよ」
「おやおや、随分と寛大な事だ。以後気を付けよう」
 悪びれもせず言ってのけたのを意にも介さずにいるのも、アーチャーが宴の最中とて結界の異変に対して注意を怠らなかったのを知っていたからで。
「それと、見張りなら今夜はもう何もなさそうだし、アサシン一人で事足りるわ。貴方も適当に休むなり勝手に見張りを続けるなりなさい」
「そうさせて貰おう。」
「それで、オレ達はどこで休めば?」
「離れに客室があるわ。寺の小坊主にでも言えば案内してくれるわよ」
「そうか。すまねぇな、なんか押し掛けたみたいで」
 素直に感謝の気持ちをランサーが述べると、キャスターは一瞬目を数度瞬かせた後、少し不満そうに口元を尖らせた。
「……そういうならあともう一押し……」
「は?」
 ぽつりと呟かれた言葉は、キャスターの口の中で発せられ、いかに英霊の耳と言えど殆ど聞き取れず。
「な、何でもないわよ!もう私は部屋に戻るけど、大人しくしていなさい」
「おー、お前ももう下手な監視なんざしなくていいからなー」
「! し、しないわよそんな面倒臭い事!」
 心なしか頬を赤くしてばさりとショールを羽織り直し、キャスターはぷい、と背を向けた。
「あぁ、そうそう」
 踵を返し、自室へ戻ろうとして、一度二人を振り返り、今度はにやりと意味有りげな笑みを浮かべて見せた。
「悪いけど、生憎今客用の布団が1組しかないのよね。それでもよければお使いなさいな」


「……はい?」
 ランサーの硬直が解けたのは、キャスターが既に廊下の向こうに見えなくなってしまってから暫くたってからの事だった。
「どうかしたかランサー」
 隣にいたアーチャーのしれっとした態度に、ランサーは思わず頭を抱えそうになった。
「お前な、布団が一つしかねぇって言ってたろうが」
「言っていたな。それが何か?」
「布団が一つしかねぇってことはつまりあれだ、一緒に寝るんだぞ?」
「そうなるな」
「いいのかよ!?」
「別に構わんだろう?同衾するぐらい」
「ぐーあー!」
 なるほど、どうやらこの男、まったくもって分かっていなかった!
「あのなぁ、お前オレが襲ってもいいのかよ」
「あぁ、そうだったな。仮にもサーヴァント同士、同衾するぐらいというのはいささか軽率だったようだ。すまなかったなランサー」
「だからどうしてそうなるっつの!」
「ごちゃごちゃ言うな。とにかく部屋へ案内してもらって落ち着こう。どうするか考えるのはそれからだ」
「あ、おいこら!」
 ランサーが静止するのも無視して、アーチャーはスタスタと歩いて行ってしまい、丁度良くその先には、小間使いと思しき坊主の姿があった。


「で、どうすんだおい」
 つぶやき、視線を投げた先には、ぴっしりと几帳面にメイキングされた布団が一組。
 二人が通された部屋は、ちゃぶ台と座椅子が置かれているだけの客室だった。
 調度品の類も、床の間に申し訳程度に掛け軸が掛けられているだけの、客室と呼ぶには如何せん飾り気のない質素な一室だった。
「どうするも何も。後は寝るだけだろう?」
「いや、そうなんだけどよぉ」
 言いながらもランサーは己との葛藤で大忙しだった。
 一体どうしたというのだ。
 もっと自分らしく積極的にアプローチを掛けるのではなかったのか!
 いやいやここでがっついたらこいつきっと逃げる間違いなく。
 でも一緒に寝ようって言ってくれてるのはアーチャーだし。
 以下略。
 ぐるぐると頭を抱えるランサーに、アーチャーのじっとりとした視線が投げられる。
「さっきから何か考え込んでいる様だが、いやなら別にかまわんぞ。そもそも私は眠らずとも問題ないのでね」
「いや、それはオレも同じだけどよ」
 まぁ別に寝一晩語り明かすのも有りだろうか、などと思考の片隅で思い始めたその時、ふと現在の聖杯戦争において最重要要素である「8人目のサーヴァント」の存在が頭を過ぎった。
 郊外の森の中、城で感じ取ったあの気配は確かにヤバかった。
「けどまぁ、やっぱり休める時は休んでおくべきだろうな、魔力節約のためにもよ」
「まぁ、そういう事だ。できれば大人しくこのままゆっくり寝てしまいたいのだがね」
 時刻はすでに、日付を変えてから長針が2週ほどしてしまった様だ。
「まぁ、それもそうだな」
 少しばかりの自嘲を込めて、知らずランサーは溜息を漏らした。
 殆ど同時だったアーチャーの小さな溜息は、呆れか、はたまた安堵なのか、それはアーチャーのみぞ知る事である。
「とりあえず……寝るか。この浴衣っての着ていいんだよな」
「あぁ。……着方は分かるのか?」
「いんや、さっぱり」
 知識して浴衣がどういう構造であるのかは理解できるのだが、どうやって着るのかまでは聖杯システムは教えてくれなかったらしい。
「ふむ……仕方ない、着付けてやるから取り合えずシャツを脱げ」
「お、さんきゅー」
 言葉のままに、ランサーは着ていたアロハシャツを脱いだ。
 と、浴衣を用意していたアーチャーの動きが一瞬ピタリと止まり、こくんと小さく息を呑んだような音がして、ランサーはどうかしたかと首を傾げた。
「いや……何でもない。まさかと思ったがこの寒いのにアロハシャツ一枚だったのに少し驚いただけだ。それより、そのままでは着せられん。立ってもらえるか」
「んぁ?あぁ、よっこらせっと」
 親父臭い掛け声とともに立ち上がると、アーチャーが背後に回って肩から浴衣を掛けてくる。
「袖はこっちに……ほら、右を下にしてこう……すこし押さえていろ」
「おう」
 成すがまま言われるままにしていると、数分とたたずにぴしりと浴衣が着付けられた。
「おおー、いいねぇこれ。これぞ和服って感じだ」
 部屋に備え付けてあった姿見で、ふふんと楽しそうに自分の浴衣姿に見入っているランサーの横で、アーチャーもいそいそと黒い武装を解いて浴衣に着替えた。
 その事をランサーがあとあと密かに残念がってたりするのだがそれはまた先の話。
 布団に入ると、どちらからともなく自然と背を向けるように横になっていた。
「……一応言っておくが、変なマネはするなよ?」
「あ、てめ、ひょっとして分かってて今までの言動かよこのやろ」
 言うものの、不思議と別段腹が立ってくるような事もなく。
 一度布団の上で寝る体制に入ってしまえば、その魔力に捕りつかれて眠気に襲われるというもので。
「……すまない」
「ふぁ?」
 欠伸の最中、かすかに聞き取れたアーチャーの呟きが何を意味するのか、ランサーには今一つ飲み込めず。
「……何でもない。おやすみ、ランサー」
「おぅ、おやすみ」
 ごそ、と布団を被り直した気配を最後に、ランサーは一度の眠りに着いた。




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