web拍手ネタ〜弓士編〜 3


10 (椎名)

「アーチャー、今回のテーマはあ……甘々……らしいんだけど……」
「ふん、はっきり言うが、不可能だろう」
「だよな。このテーマ何か間違ってるよな」
「まったくだ。そもそも我々に甘さなど求める事自体が全くどうかしている」
「どっちかって言うといがみあってばっかだし」
「嘘にでもあ……愛し……などと言ってみろ!どこのナルシストかという話ではないか!」
「俺だって仮にも憧れた自分の将来の姿がナルシストだなんて認めたくない!」
「待て。その口ぶりだと私がそうだと言いたげに聞こえるのだが?」
「う、だ、だって事実……」
「……」
「……」
「ほぉ……つまりお前は私をそういう目で見ている訳か。よく分った。ではご希望に沿えるとしようか」
「だー!俺が悪かったからってちょっとおまっ!やっぱり変態ー!」





11 (椎名) ※アンリ絡み

「ちーす。拍手あんがとーってこれ何?」
「ふむ、どうやら拍手恒例行事の舞台裏ネタのようだが……」
「何で俺まで巻き添え……」
「ふーん……てぇかどういう組み合わせなんだこれは。まぁ分からなくもないけど」
「で、今回は何だ?」
「えーっと、『アンリマユさんに聞いて見よう。』?」
『なんでさ』
「俺が聞きたいっての。えーっと……『衛宮さんになった感想を一言』」
「これはまたキワドい質問を……」
「すまん俺には何も言えん」
「ふ。まぁ中々良い質問だと思うが」
「鬼が居るー!」
「ケケ。やってろやってろバカップル」
「楽しんでるし……」
「で、質問の答えは?」
「あ?あぁ、まぁ何て言うか……お前らの事がよぉく分かって面白かったけど?」
『すみませんでした』





12 (ペキ)








13 (椎名)

力の差は歴然だった。
ただこいつの成すがままに負けるのは気に食わなくて。
あえて抵抗したのだ。
愚かだと分かっていながら。

「どうした?もう限界か衛宮士郎?」

そんな言葉で十分にこちらを追い詰められることを奴は良く知っているのだろう。
不適な笑みを浮かべ、容赦なくその手に力を込めてくる。

「っつあぅ!?」

走る衝撃に思わず声が漏れる。
そんな俺の反応が悦に入ったのか、アーチャーは嫌味ったらしく口の端を吊り上げた。
「弱いな…まだまだだぞ?」
「うっ…うるさ…いっ…!」
挑発的な言葉もぎりぎりの身体には随分と堪える。
下手をすれば飛びそうな意識の端で、奴の表情を視界に納める。
額には薄っすらと汗の玉が浮かんでいる。

意外だ。
奴も思った以上にぎりぎりなのだろうか。

なら…こっちも全力で挑むのが礼儀というものだろう。

「っああぁぁああっ…!」

叫んで、何かに堪えるように。

捕まれたその手を寄りいっそう強く握り締めた。



「どぉでもいいけどっなんで俺たち腕相撲ぐらいでこんなムキになってるんだろうなっ!!」
「知るかたわけっ!!」





14 (ペキ)

吐く息が白い。
隣を歩く男と、俺の分。二つの白い煙が夜の空気に消えていく。
気温が低いと、息が白くなる。コレは当たり前だ。
けれど。

「……何でお前の吐く息も白いんだろうな」
「? 何だ?」

よく聞こえなかったのか、アーチャーがこちらを向く。

「いや、なんでエーテル体のはずのお前の吐く息まで、白いんだろうなって」
「……ふむ、言われてみれば」

吐く息が白いのは、呼気中の水蒸気が気化するからだ。
と、言う事は、アーチャーの吐く息にも水蒸気があるんだろうけれど、よくよく考えたらそれってちょっと不思議だ。
アーチャーは食事はするけどトイレに行っているのを見たことはない。
『受肉していない以上、体内に摂取された物質は全て魔力に変換される』とかなんとか。
どういう理屈だかは知らないけれど、要するに胃で消化して腸で吸収、とか、そういうことが行われているわけじゃないんだろう。多分。
って事は、老廃物を体外に排出する必要がないわけで、きっと皮脂とかも出たりはしないんだろう。コレもやっぱり多分だけれど。
けれど、そういう不必要っぽい事は全然できないのかというと、そうでもなくて。
涙とか、発汗があるのは知っている。
その、「ああいうこと」ができるのも……知っている。
じゃあ、一体全体、どこまで。

「何処までが人と変わらないんだろうな? こういう、「吐く息が白い」とかって、全然戦闘とかに必要ないじゃないか?」
「そうだな。戦闘用のサーヴァントである身に、本来そのようなものは必要ない。
 突き詰めてしまえば、こうして武装を解くことも、体温も味覚も、全て戦闘には要らないな」

今着ている黒いタートルネックを指差しつつ、アーチャーは言う。
武装を解くことも、体温も味覚も、必要ない。
む、それはちょっと困る。
味覚がないって事は料理ができないし、武装をとく事ができなければ、買い物もできない。

「そうすると、家事が頼めないって事か。……うわ、そんな役立たずなお前、想像付かないな」
「私の存在意義は、家事だけか……?
 ……しかしまあ、おそらくはそれが答えだ、衛宮士郎」

それが答え?
どれが答えだって言うんだ。
家事ができない? でも、戦闘用のサーヴァントにはそれこそ不必要な機能だ。

「それって、どれだよ?」
「想像が付かない、という事だ。
 当たり前の様に自身の一部であるものがなくなるというのは、想像がつかない。
 それがなくなった時に、どういう結果になるのかも、な」
「……よく、わからない」
「例えば、バーサーカーがいい例だ。
 彼は自分の意識がない。 狂化し、理性をなくしている。だが、戦闘用の使い魔ならば、それで十分なのだよ。
 ただ、戦えればいい。自分の意思は必要ない」
「……でも、バーサーカーは……」
「そう、確かにクラス上狂化してはいたが、彼女を守るときの彼は明確な意思を示し、そして何よりも強かった。
 逆に、命令されるがままの時は戦略もなく、勝てない相手ではない。
 ……感情というものは思った以上の力を発揮する。ランサーもそうだな。戦いを楽しんでいる時のヤツは、何よりも厄介だった」
「それと、想像がつかないことと、どう関係あるんだ?」

アーチャーの言葉は、回りくどい。
意思がある方が、強い想いがある方が、強くなれる。それは俺もそう思うけれど。

「意思や自我・感情や経験というものは、何に左右されるか分からん。呼吸・体温・空気の味・匂い。
 何に気分が高揚し、何を経験の基準とするか。
 例え、自分でそれが不必要なものだ、と思っていても、だ。
 失う事など想像がつかないから、余計にだろう。
 少しでも当たり前のものが欠けると、戦闘に支障が出るかもしれん」
「吐く息が白くないことが、影響するって?」
「まあ、極論だ。
 私の場合も、単なる”掃除”の道具としての『守護者』ならば意思のない人形で構わないのだろうが……『戦争』を行う兵士として純英 霊と戦うとなれば、それに見合った形での召還になるのだろう。
 もっとも、 ……現界時に必要なものを取捨選択するよりは、記録されているもの全てを出してしまった方が聖杯にとっては容易いのかもしれんがな」
「分別するのが面倒だ、と」
「そう言い方をするな。
 ……まあ所詮は、本体のコピーだからな。多少サーヴァントとして形が付与されているが……」

そう言って、深くため息をつく。その色は、白。
どういう理屈かは知らないけれど。
確かに、彼の吐く息が白くなかったら、影響はありそうだ。
少なくとも、マスターである俺には。
隣にいるのに、体温も、味覚も、匂いもない。 そんな、希薄な存在だったら。
きっと、俺が耐えられない。

「まあ、こうして買い物手伝ってもらえる所は、聖杯に感謝、だな」
「そうだな。抱いても温もりを感じないのでは、少々興ざめだ」
「……そういう事言うな」



隣に感じるわずかな体温。こうして一緒に買い物したり、料理したりできる事。
めんどくさがりな世界とやらに、感謝しよう。
人として、同じことを同じようにできるという事に。

息は、白く、白く。
夜に溶ける。




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