web拍手ネタ〜槍弓編〜5


13 (ペキ)

ちゃらららっちゃっちゃっちゃー♪

「うっしゃあ、レベルアップ!」
「……お前は、いつまでレベル上げしているつもりだね?」
「えー、ほら、慎重に慎重を重ねねぇとな?」
「お前の口から、慎重という言葉が出てくると何故こうも違和感を感じるのだろうな」
「よっしゃー!! 弓スキルが上がったー!!(聞いてない」
「……(嘆息)」
「ようやっとアーチャーになったかー、長かったなー」
「って待て、何をしている!?」
「ん? 何って、ドラ●エ」
「そうではない! 何故そこで私の名前が出てくる!?」
「え、いや、お前の名前じゃねぇよ? 登場キャラの階級みたいなもんだ。
 弓使いのランクの一つが、アーチャー」
「……そうか……(少し複雑な表情」
「何? お前の名前付けて欲しかった?」
「たわけ。 あまり立て続けにやるのも程ほどにしろ。
 ゲームは1日一時間だ」
「へいへーい。 素直じゃねぇなあ……」


「……とか何とか言って、この赤くて白い髪の兄さんの名前が変えられたら、アーチャーって付けてたんだろうけど、な」





14 (椎名)

冬の朝はよく冷える。
窓を開けると、ひんやりとした冷たい空気が暖められた部屋に入り込む。
「ふむ。今日は特に冷えるな。」
温度計はひょっとしたら氷点下を指しているかもしれない。
「なんだ?まだ大した事ないだろ?」
「北国育ちの君には丁度いいかもしれないがな。」
もっとも、英霊である身にはどの道大したことのない寒さだが。
「なんだ?寒いのか?」
「…少なくとも君よりは寒いと感じていると思うが。」

「暖めてやろうか?」
「ストーブを少し強くするか…」
「…俺は心が寒い…」
「知るか。」





15 (椎名)


「んー?何か今日はいつもと雰囲気が違うような……」
「どうかしたかランサー?」
「何というか……空気がダルい気がしねぇか?」
「あぁ、そういやSの字がネタが切れたーとぼやいていたような気がするな」
「それと何か関係があるのか?」
「無論。ネタが切れたという事は我々もやる事がないという事。極めて重要な問題だ」
「職務タイマンっていうか職場放棄ー?」
「どこぞの破壊神か」
「あー、でも俺は別にそれでも良いかも」
「……何がだ」
「ほら、何んもやることが無いとさぁ、することなんて一つっていうか?」
「一遍一人で無人島へ行ってこい!!」





16 (ペキ)



「どうしても、付き合って欲しい所があんだよ」

そう、真っ直ぐにこちらを見据え、真剣な目で訴えてきたものだから。



「付いていってやろうなどと思うのではなかった……っ!」

きつくきつく、指の爪が手のひらに食い込むほど握りしめ、深い憤りを隠しもしない渋面のまま、アーチャーは何杯目かのアイスコーヒーを啜る。
ずぞぞ、と聞き苦しい音が鳴るが、何時もなら無作法だからと気にするはずのアーチャーは、むしろその音を立てることでその場にいる不本意さをあらわしているようだった。
尤も、あくまでも目の前の男にだけ聞こえるように、というあたりに、まだまだ配慮の色が見える。

「あー? なんだよ、不満か?」
「さっきから何度も言っているだろう! 不満だ、大いに不愉快だ! 何故、こんな所に来なければならないのだ!?」


周囲をはばかり声量こそ抑えてはいるものの、今にも拳をテーブルに叩きつけそうな気配をにじませるアーチャーに、ランサーは特に動じた様子も見せない。

「こんな所って……普通のカフェだろ?」

と、皿の上を着実に制覇しながら飄々と答える。

「ほほう、ここの空間を、普通の、とぬかすか君というヤツは……!」
「一般人向け相手の単なる飲食店だ。いたって普通じゃねぇか」

フォークをひらひらと宙で泳がしながら言う声は、どうやら本当に心底そう思っているようだ。

「……この周囲の状況でも、か?」

こめかみを押さえながら問う声に、ランサーはゆっくりと辺りを見回し――――

「まあ、ちょっと女が多いな」
「【ちょっと】どころではないだろうがっ……!」

周囲の女性率、実に9割。
辛うじてアーチャーとランサー以外の男性もいる事にはいるが、女性同伴のカップルもしくは、まだ右も左も分らぬ子供だ。
そう、ココは、乙女の楽園、甘味の帝国、ケーキバイキングなのだから……!

「だというのに何故、この状況下で、一人バクバクバクバクと……!」
「一人でって……だからお前も食うかっつってんだろ?」
「そういう問題ではない!」
「まぁまぁ、美味いぜ? コレ」

いいつつ、色とりどりのフルーツケーキをさし示す。 
言われずとも、それが美味である事など、アーチャーは十分に理解している。
何せ、ココは有名なフルーツ専門店が経営するカフェのケーキバイキングなのだから。
しかし……

「しかし、こういう甘味系のバイキングは、普通女性限定ではないのか?」

確かココこそ女性限定の筆頭であったようにアーチャーは記憶していたのだが。

「ああ。そういう所多いらしいなー。まぁ、ココも普段はそうらしいんだけどよ、平日のランチタイムは男だけでもOKなんだとよ」
「ふむ、なるほど……」

と、納得しかけた所で、彼は重大な問題に気づく。

「……待て、貴様。普段は女性限定、男が入りにくい場所だと言う事を知ったうえで私を誘ったな……!?」
「あ? 当たり前だろ?」
「…………!!」

思わず、立ちかけたアーチャーを、ランサーは慌てず騒がず無理矢理上から肩を押さえ込み、問答無用で席に戻す。
殺気すら感じるほど睨みつけてくる目に、ランサーはため息を付きつつ、理由の一つを話した。

「しょうがねぇだろ。男性一人の入店は禁止なんだから」
「……ならば、なぜセイバーや藤村大河を誘わない。彼女たちなら喜んで付いて来ただろうに……」

そして嬉々としてこの店のケーキを壊滅状態に追いやっただろう。
……もしかしたらココに来たのが私で正解だったかもしれない、と言う考えが一瞬弓兵の頭を過ぎるが、それは又別の問題だ。
問うアーチャーに、

「どうせ誘うんなら、酒だろうがケーキだろうが、一緒に飲み食いしたい相手を誘うだろ、普通?」

ネェちゃんやセイバーとより、お前と食った方が美味いだろうが、と平然と続けるランサー。
そんな単純なもう一つの理由に。

「……」

アーチャーは無言で、ランサーの皿からケーキを一つ掠め取って口に運ぶ。

「む」
「な、美味いだろ? その桃のケーキ」



「君が甘党だとはしらなかったな」
「そうか? でもオレの故郷じゃあんなもんなかったしなぁ。 たまにガッと大量に食いたくならねえ?」
「……仮になったとしたら、今度から私に言え。 ああいう場所に付き合うくらいなら、私が作ろう」
「あぁ? 何種類もあんのを食べるのがいいんじゃねぇか」
「……今度から、私に言え。……いいな?」
「……へいへい」





17 (ペキ) 二周年記念ア○ジンパロ

★エミヤンと魔法のランプ★(NHK教育のお姉さん的な声でお読み下さい)

「やっほー呼ばれてなくとも即参上、毎度お馴染ランプの魔人で―――っていきなり蓋閉めようとすんじゃねぇよオイコラ」
「む、幻覚だけにとどまらず幻聴までとは、根をつめすぎたか。今日は早めに寝るとしよう」
「今度は放置か? あれか? オマエはそういうプレイが好きなのか!?」

古ぼけたランプを磨いていた貧しくも心優しい青年の前に現れたのは、蒼いランプの魔人。

「つうわけでオマエの願いを何でも三つまで叶えてやるよ。あ、ただし願い事増やすとかなしな、規則なんで」
「帰れ」
「速攻クーリングオフ!? いやほら、オレとしても久々のシャバなんで、もうちっと悩んでいただけると嬉しいんだが!」


心優しい青年は、ランプの魔人に願いを言います。

「……ならば恒久的な世界平和を」
「……あー流石にそこまでグローバルなもんだと、ちっと無理」
「なんでも叶えてやると言っただろうに。広告に偽りあり、ジャ○に訴えるぞこの無能」
「んな定義の曖昧な世界規模の奇跡なんざ起こせるだけの力があったらランプの魔人なんかしてねぇよ!もっとこう、身近な自分の幸せを願えよ。可愛い彼氏がほしいとか」
「……(無言で蓋を閉めようとする)」

自分の幸せ、と言われても、心優しい青年にはそれ以外に願いなんかありません。
もう一度改めて丁重にクーリングオフしようとした青年に、ランプの魔人は、

「よし!なら願いを思い付くまで待ってやるよ。せっかくの現界だし、オレとしても楽し
みたいしな」

なかば無理矢理、ついてくるのでした。



これは、

「私一人のために叶えてほしい願いなどないんだ、ランサー。ただ、みんなが笑っていてくれれば、私は十分幸せなのだから」


他人の幸せしか願うことのできない青年と、


「オレに願えよ、エミヤ。そうすればオマエもオレも、自由になれる」

主の願いを叶えることしかできない魔人のお話。



ランプの魔人が、自らに課された『自由になるための条件』は、『主を“心から”幸せにすること』。

そんな魔人が、自らの自由とは関係なく、


『オレが、オマエを、幸せにしてやりたいんだ』


主である青年の幸せを願うようになるのは、……もう少し先のこと。




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