日記掲載ネタ〜雑多編〜 2


2 (ペキ) 切嗣と子士郎

彼の待ち人は、彼が待っているときには現れない。
帰ってくるのは決まって、彼が待ちくたびれて寝入ってしまった後のこと。
まるで少年が眠ってしまうのを待っていたかのように、ひっそりと。
夜半の月明かりとともに彼の傍に舞い戻ってくる。


少年がふとした気配に目を覚ますと、開いた視界にだらしなく無精ひげをのばしきった養父の顔が飛び込んできた。
また、いつのまにやら帰ってきたらしい。
すぐ隣で、そこにいるのが自然なことの様に寝入っている養父の存在に、少年はわずかに触れて確認すると安堵のため息を漏らした。
常に自分の知らないうちに帰ってくる養父に対し少しの憤りを感じはしたが、少年には帰ってきてくれたという事実の方が何よりも大切だ。

養父は、魔法使いだから。
自分のあずかり知らぬ所で、やらねばならないことがあるのだろう。
自分を助けたように。

そう考えた所で、少年はなんとも複雑な気持ちになった。

もし、自分と同じような子供を助けたら、養父は。
そこで又、こんな風に父親になるのだろうか。

――もしかしたら、たまにしか帰ってこないのは、俺みたいなのが世界中にたくさんいるからだったりして。

そんな一昔前の映画みたいな……、と少年は失笑する。

そして同時に。
そんな考えを否定しきれない養父に対して、むくむくともやのかかった思いがこみ上げてきた。
その感情を表すことはまだ少年にはできなかったけれど。

――まあ、あんたも悪いんだからな、じーさん。

少年はその感情の赴くまま、ささやかな抗議行動を起こした。



翌日。
腰の上に夜中かわいい一人子を乗せたまま眠っていた果報者な養父は、養い子の愛と幸せの重さを、自身の腰の鈍痛とともに思い知ることになる。




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