web拍手ネタ〜雑多編〜3
※カップリングが本気で雑多なのでご注意下さい


9 (ペキ) 金士

英雄王の言う事は、いつだって突然かつ直球だ。
どのくらい唐突かというと前フリというものがなくて、たまに理解に苦しむ事がある位。
やれ、「腹が減った」だの、「出かけるぞ」だの、「スカ○ーを入れるぞ」だの。
大体提案や話題ではなく、「決定事項」であり「命令」だったりするものだから。
衛宮士郎は常に、途方にくれるのだ。

そして、本日も。

「雑種、魔力が足りん」

先ほどまでがつがつと(それでいて不思議と無作法に見えないのは王の威厳か何かなのか)夕食をたいらげていたのにもかかわらず、その一言で全て語り終わったといわんばかりにさっさと自室に下がる英雄王。

それに対して、とるべき行動は士郎自身にもわかっているのだが。

「……もうちょっと言い様があるんじゃないか?」

食器を片付けながら愚痴をこぼす。

この片付けも、さっさと終わらせなければならなかった。
遅いと、自室で待っている彼の機嫌がみるみる不機嫌になっていくのだ。
そうなってしまうと後が色々と面倒なので、できるかぎり早く王様の命令に答えねばならない。


王様の言う事は、いつだって突然勝つ直球だ。

だけれども。

「……魔力が足りないって、遠まわしに言ってくれてる方か……」

たまには、不器用な変化球もあるのだ。





10 (椎名) 槍士

「あー、懲りずにというか何というか…またまたお題web拍手らしいぞ坊主。」
「らしいな…ていうか今度は俺とランサーかよ!?」
「なんだよ、不満か?」
「いや不満じゃないっていうか不安っていうか…(ぽそ)」
「しかし思うにお題web拍手っていうより舞台裏って言ったほうが良いような気がするんだがな。
 そこんとこどうなんだ、え?」
「まぁweb拍手自体が舞台裏みたいなもんだからいいんじゃないかって誰かさんが開き直ってたな。」
「そうなのか?(魔槍装備。)」
「収めろ収めろ。殺しても死なない馬鹿だから意味がないぞ。」
「ふむ…(収める)で、今回は何をやるんだ?」
「えー…何々?名物私物調査?」

「…坊主…言っておくが俺の私物なんてお前が見たら大打撃受けるようなものしかないぞ?」
「なっ!?た…たとえば?」
「…隠し撮り写真とか…」
「なんでさー!?」





11 (ペキ) 金士

「暑い。暑い暑い暑い暑い、暑い!」

居間にたった一台しかない扇風機を堂々と占領しながら、叫ぶ英雄王(多分)。

「しょうがないだろ? 夏なんだから……」

開け放った窓に靡く風鈴を眺めつつ、俺はといえばセルフで送風……要するに団扇を使っている。
全く、扇風機を使わせてやってるって言うのに、なんて贅沢な。

「大体、何故この家には冷房がないのだ!? そこまで困窮しているなら我が買ってやるから、今すぐ業者を呼べ!」
「一応、居間だけだけど冷房はあるぞ。けど使えるようにしてないんだよ。 俺冷房好きじゃないし。不必要に体を冷やすのは、良くないだろ」

まだ梅雨も明けていないって言うのに、こんな時期から冷房なんかに頼ってちゃ、かえって体に悪い。
電気代だってバカにならないし。

「雑種、それでも現代っ子か!? お前のような古臭い考えの輩が多いから、公立の小中学校に未だに冷房が完備されていないのだぞ!?
 温暖化の進む前のこの国ならいざ知らず、今のアスファルトで覆われた日本の室内で、冷房がない事がどれ程愚かな事かわかっとらん!
 おかげでどれだけの子供達や老人が熱中症で倒れているか! 
 現代日本において冷房は、健康で文化的な最低限度の生活に必要だと心得るが良い!!」

えーと、なんだってそんな現代日本に詳しいんだ。
さすが日本生活歴10年。ちょっと言ってる事に説得力があってびっくりだ。

「……確かにそうかもしれないけど、生憎と直ぐには冷房、つけられないぞ?
 フィルターと本体ケースの掃除をして、排水のホースつながないと」
「な! 何故に全自動お掃除機能付きの冷房にせんのだ!? ええい、我が新しく最新のものを今すぐにでも……!!」
「……今すぐに買っても、結局業者が取り付けるまでは使えないだろ」


ぐぬぬぬ、と扇風機に抱きつきつつうめくギルガメッシュ。
かといって、そんなに暑いなら外のどっか涼しい所にでも行ってくればいいだろう、と勧めると、断固拒否の姿勢を示すのだからわからない。

……仕方ないな。



ごとん、とテーブルの上に透き通った氷菓をおいてやる。
先日土蔵から発見された、セイバーお気に入りのペンギンで作ったカキ氷だ。
味覚が意外と……いやむしろ予想通りお子様なギルガメッシュのために、練乳とイチゴシロップをこれでもかと言うほどかけてある。

ギルガメッシュは無言のまま、のろのろとカキ氷を食べ始める。
普段なら『こんな貧相な菓子など食えるか! 我にハーゲン○ッツのキャラメル○ワールを献上せよ!』とか何とか言い出すのだが、今日は時々こめかみを押さえながらも黙々と食し、二杯目まで要求してきた。 
流石の英霊も、どうやら暑さには勝てないようだ。





――ザァァァァ

「あ」

カキ氷を食べ終わって人心地。気づけば、いつの間にやら外は雨が降っていた。
この様子と雨足の強さから言って、おそらく通り雨だろう。
うん、コレで涼しくなるな。



「で、冷房の話だが」
「あ、又そこに戻るわけね」

カキ氷を三杯も食べ、どうやら冷えてしまったらしいギルガメッシュはいつのまにやら扇風機前から撤退している。
雨によって放射冷却された外気が開放された扇風機によって運ばれ、程よく過ごしやすい気温となったのに、いつになくしつこく冷房にこだわりを見せるギル。
余程暑がりなのだろうか。


「少なくとも、寝室にだけは、冷房を入れるぞ」
「なんでさ。夜は窓さえ開ければ、結構風が通って気持ちいい――」
「ほほう?」

な、なんでそこでそんな妙な笑いをうかべるんだよ。


「つまり、窓を開けたまま魔力供給をしても――――」
「わー!? わー!?」

何だって事を言うんだこのエロガメッシュはぁぁ!!
ってそうか。そういうことかよコンチクショウ。

「……寝室にだけは、冷房を入れるぞ?」
「……分ったよ」


かくして、うちにも何台か、冷房がプラスされたのであった。
――無論、電気代も大分プラスされたのは、言うまでもない。





12 (椎名) アンリ 二周年記念拍手 ※不思●の国のアリスパロ

 彼は何時だって退屈していました。
 兄弟達とピクニックに来ていたってそれは変わらない事。
 何度目かの欠伸の後、彼は不思議な物を目撃するのです。

「やっべぇ遅れちまったー!」
 そういって時計を気にしながら掻けて行く青ウサギが一匹。
 彼……アンリはそのウサギを追って、穴へと落ちて行くのです。
 深い深い穴を落ちていった先は、不思議な事が次々訪れる御伽の国。
 しゃべる扉に出迎えられ、おっきくなったりちっさくなったりしながら、アンリは不思議の国へと足を踏み入れます。
 そしてアンリの前に現れる、個性的な不思議の国の住人達。

「あー、オレ何処へ行ったらいいのか教えてくれねぇ?」
「どこへ行きたいのだね」
「いや、それが分らねぇから聞いてるんだけど?」
「ならばどこへ行っても同じだろう」
 皮肉で嫌味ったらしいチェシャ猫。

「で、そなたは誰なのかな?」
 パイプを片手に、のらりくらりとアンリに助言する芋虫。

「全ての物を祝福するのが私の務めだ。何でも無い日を祝おうではないか」
 終わる事のないティーパーティーに興じるいかれ帽子屋。

「えぇい煩わしい! そやつの首をちょん切ってしまえ雑種!」
 どこまでも我様なハートの女(?)王。
 
 全てを知るチェシャ猫は憂いを歌い、不気味な笑みを浮かべます。
「ここの連中は皆いかれているのだよ。私も、お前もな」

 そして。

「そうだな。楽しかったから、終わりも見てみないと――」
 その一言で、世界は崩れ始めるのです。



「士郎、士郎ったらこんな所で眠っちゃ風邪ひくでしょー?」 
 姉ぇさんのやさしい声でようやく目を覚ました時、少年は木の葉に包まれていました。
「なんだか……とても不思議な夢をみたんだ」

 これはそんな、少年の見た夢の一ページ、かもしれない。




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