web拍手ネタ〜雑多編〜8
※カップリングが本気で雑多なのでご注意下さい


19 (ペキ) アンリと士郎

 アンリと士郎 byペキ




馬鹿は風邪をひかないというけれど、それは別に「風邪に罹ったり熱が出たりしない」というわけじゃない。
正しくは「馬鹿は風邪をひいても気付かない」ので、故にその様を指して「馬鹿は風邪をひかない」というのだ。

「だから一応風邪をひいたこと位自覚してる俺は、馬鹿じゃないと主張したいんだけど、どうだろう」

病院帰りの道すがら。
俺は隣にいる自分によく似た男の顔――今はマフラー・マスクに毛糸の帽子で埋もれてしまって、実際のところその半分も見ちゃいないが――に意見を求めた。
がらがらの声が聞き苦しかったけれど、意味はちゃんと相手に伝わったらしい。
相手もおんなじような掠れた声で、

「少なくともこうやって間抜け姿さらしている時点で、バカ丸出しのような気がすんだが」
「……だよな」

内心思っていたことを改めて口に出されると、もはや目をそらすわけにはいかないわけで。
マスクの隙間から白く長い溜息を吐きながら、俺達は同時に空を見上げた。あいにくの曇天。
淀んだ空が、まさに俺達の体調と心中そのものの色具合だった。


きっかけもよく思い出せないくらい他愛もないことだったけれど、とにかく買い物帰りに偶然はち合わせた二組の女性陣の間で勃発した喧嘩が、歯止めを失って暴走しかけてたので取り押さえようとして気づいたら未遠川の水は冷たかったです。
うん、いたっていつも通りだ。
多少珍しいことといったら逃げそこねたアンリが一緒に転落したことと、その日は特に冷え込みが激しくて気温も軽く氷点下ギリギリだったってことだ。

いや、風邪ですんだ自分を褒めてやりたい。下手したら死んでる。
サーヴァントであるはずの隣のコレまで同様の事態なのは正直驚いたが、まぁコイツの現界の理屈はハナからよくわからん不思議状態だし、風邪くらいひいたりもできるんだろう。
巻き込まれたアンリ自身すら、風邪というまさかの状態に同様の感想のようだった。

だからといって恨みがましい目で見られても、あの場合はしょうがなかったとしか言いようがない。

「テメェが馬鹿やんのは勝手だけどよ。オレを巻き込むんじゃねぇよブッコロ」
「物騒な語尾をつけるな。大体、『アレ』を放置してたところで結果は多分大差なかったと思うぞ。寒中水泳の人数が増えた位で」
「少なくともオレは寒中水泳のメンバーから外れてたかも知れねぇじゃねぇかやっぱりブッコロ」

いつになくねちっこい小声でぐちぐち言うアンリ。マスクでくぐもっているのを差し引いて、おそらく熱の性もあるんだろう。
俺も余裕があるわけではないので、思わず不機嫌そうな声でアンリに言い返す。

「……本気でいってるのかよ。あのメンバーで、お前が寒中水泳から免れられたかも、だって?」

思わず鼻で笑い飛ばしてしまう俺に、アンリは剣呑な気配を強める。が、

「あーブッコロす」

結局反論ではなくぼやき(?)で終わったところを見ると、あのメンバー――俺・アンリ・子ギル・バゼット・カレン・遠坂・セイバー――の中での自分のポジションをわきまえているようだ。
あの時のメンツの中で川に叩き込まれる可能性が一番高いのは俺だが、その次は間違いなくこいつなのだから。
あ、何か悲しくなってきた。目頭が熱いのは熱のせいなのかどうなのか。

「くそ、寒くなってきやがった」
「げ、雪ふってきてんじゃねぇかよ、最悪」
「どうすんだよ、走るか」
「めんどくせ……なんか、も、どうでもいい」
「あー……、畜生、何だってこんな……」
「……ホント、馬鹿丸出しじゃねぇかよ……」

だんだん、泣き言しか出なくなってきた。でも、言葉はとまらない。
黙ると歩くのすらつらくなってきそうで、言葉が止まればなんだか足まで止まってしまいそうで。
病院まで送ろうかといった家人達の申し出を断らなければよかったなぁ等と考えたところで
プァプァーンという耳障りなクラクションに、背後を振り返る。
見覚えのある銀色のバン……ああ、藤村組のだ。

運転席から降りてきたのは藤村組の若衆ではなかったが、後ろに流して逆立てた髪に黒づくめと、ある意味ヤクザみたいな外見のやつだった。
と、うるさい虎も一匹。

「ちょっとちょっとしろーう! 杏里君も! 大丈夫なの!? 病院が終わったらおねぇちゃんに電話しろってあれほど言ったじゃなーい!」
「……声落とせ、頭に響く……」
「あーもう、そこまでひどいなら何で電話しないのよぅ!? アーチャーさんが車出してくれたから、ほらほら、ちゃっちゃと乗る!」
「わかったから、腕引っ張んな……抜ける」

暴力的な虎の牽引に振り回されるような形で俺達は後部座席に押し込まれた。
バンにもたれていたヤクザが、「フン、無様だな」とかなんとか言っていたが、正直俺達は乗り込んだ車内の温かさに心奪われて、言い返す気すら起きない。というか、お前車の免許持ってたんだ。

車は順調に滑りだし、家へと急ぐ。できれば弓兵の運転技術やら何やら冷やかしてやりたいところだったけれど、瞼を開くのがおっくうになってきて半ば閉じかけていたから、それもできなかった。

意識が落ちる寸前、

「けど、こうしてるとやっぱりそっくりね。声も似てるから、どっちがしゃべったのか分んないくらいで、お姉ちゃんちょっとびっくりしちゃったわ」
「確かに。しかし、こうしてギリギリまで人に頼らず無茶をするところまで似ずともよかっただろうに。本当に愚か者だな、こいつらは」

等と、聞きずてならない声がきこえてきたので。

「「……うるせえ、テメェの方が馬鹿だ……」」

とりあえず、最低限の反論だけは口にしておいた。
心なしか、声がユニゾンだった気がするけれど、きっと熱による気のせいだろう。


姉と弓兵の、一瞬間をおいた後のばかみたいな笑い声も、きのせいにちがいないのだ。





20 (椎名) 金士 

「ふむ、拍手か。」
「拍手だな」
「悪くないな。許可しようではないか。感謝するぞ雑種ども」
「感謝してるのか!? してるのかそれ!?」
「何を言う。 こんなつたない物になんぞ拍手をくれたのだ。我最大級の感謝を以って然るべきであろう?」
「いやまぁそれは否定しないけど」
「しかし……もてなしの一つもないとは。何をしろと言うのだあのヘタレ管理人共め」
「うん、それも否定しないけど」
「あれだ、ベタなハガキのコーナーなども用意しておらんのか?」
「そのようで」
「余興もないとは情けない。何のために我がわざわざ出向いたと思っておるのだ」
「いや、結構楽しみにしてた……」
「毎夜雑種の献身っぷりでも披露すれば満足か?」
「なんでさ!?」



21 LLUST byペキ




お帰りなさい、って言われただけで、泣きそうになる。





22 LLUST byペキ




アンリと士郎はなんだか百合のようになってしまいます。
普段は微妙に敬遠しているのに、ふとした時意味もなくくっついているといいなぁとか妄想。
じゃれあいと殺し合いが紙一重という心休まらない二人がいいです。
まるで本気なのか遊んでるのかわからない猫?








23 (椎名) 金士 



「ば……ばかな……!?」
小さく上がった驚嘆の声に、士郎は声のした方へ振り返った。
「どうした? 口に合わなかったか?」
 マグカップに沸いたばかりのお湯を注ぎつつ見てみれば、居間ではおやつタイム中の英雄王様がフォーク片手にわなわなと小刻みに震えている所だった。
「解せぬ……解せぬぞ雑種……」
 額にうっすら冷や汗すら流しながら、ギルガメッシュはゆっくりと視線を士郎へと向けた。
「解せぬ、って何がさ」
 何か作り方を間違えただろうか、と思考を巡らせつつ、マグカップを二つトレイに載せる。
「実に不可解だ……なぜ小麦を挽いた粉に牛乳と玉子を混ぜて焼いただけの物がこれほどまでに絶妙な味わいを醸していると言うのだっ!?」
「そっちか」
 ははん、と肩を落としながらも、どうやら口に合わなかった訳ではないらしいので士郎は一先ず胸を撫で下ろした。
「そうか、バターとシロップか!? これがあるから美味いのか!?」
「それもあると思うけど、元々小麦粉と玉子に牛乳は愛称が良いからな」
 この組み合わせから生まれるメニューのバリエーションは数多に亘る。
 むしろこの世の食文化における黄金のトリオと言っても過言ではあるまい。
 そしてその中でも、砂糖とベーキングパウダーを加えて焼くだけ、お好みでチョコレートソースやメイプルシロップ、ジャムにクリームはたまたフルーツにアイスクリーム何でもござれ、という最もシンプル且つ全ての焼き菓子の原点とも言うべき至高の一品こそ、今まさにギルガメッシュの食しているホットケーキである。

 時刻は3時を少し過ぎた頃。
 多少腹にたまる物が食べたいと言うギルガメッシュの希望に応えて作ったのがこのホットケーキだったのだが、どうやらそれが王様のお口にも歓迎されたらしい。
「ふむ……作り方一つでこうも化ける物か……小麦など下々の者が食する物と思って侮っておったが……この様な味が出せるのならもっと早く我が物にしておくべきであったな……」
 相変わらずな王様発言ではあるが、士郎は気にするでもなく持って来たマグカップの乗ったトレイを卓袱台の上に置いて席に着く。
 この程度でいちいち突っ込んでいては、この王様の相手は勤まらないのだ。
「はい、ココア。ホットケーキに合うように、甘さ控え目でミルクは多めにしてみたんだけど」
ふわりと独特の甘い香りを立ち上らせるカップをギルガメッシュの前に置いて、士郎も自分のカップを一口すすって一息ついた。
見守っていると、ギルガメッシュはカップを両手で持ち上げて、湯気に息を何度か息を吹き掛けて、恐る恐る舐めるようにカップを口に付けた。
 この王様、実はかなりの猫舌なのだった。
 しかし流石に、熱いではないかこの無礼者! などと怒り出す事はない。
 熱いものは熱いうちに飲む方がおいしいという事は弁えていらっしゃるようだ。
「ふむ、気にならぬ程の苦みで甘み引き立てておるとはなかなか。大儀であるぞ雑種」
「それはどーも」
 おそらくは最上級の労いの言葉が聞き出せたので、取り合えず士郎は満足してココアをもう一口。
 甘いものと一緒でなくても十分楽しめる程よい甘さ。
 我ながら上出来、などと自賛していると。 
「ふむ、今日の我は気分が良い。このホットケーキ、お前にも賜わそう」
 などと王様がのたまわれた。
「……はい?」
 思わず聞き返してしまったが、今この王様は士郎の聞き間違えでなければ所有物であるホットケーキをくれる、と言ったらしい。
 作ったの、士郎だけど。
 彼が気分が良いので食べている物をくれる、というのは、俄かに信じがたい快挙であった。
「どうした? よもや我の施しが要らぬとは言うまいな?」
「いや、そんな事はない、けど」
 正直言うと、もうすぐ晩御飯の時間も迫っている事だし、と自分の分は作らなかったのだが、いざこうして実際に目の前で甘い香りを漂わせるホットケーキを食べているのを目の当たりにすると食べたくなって来ると言うのも、健全な青年男子の正常な反応と言えるだろう。
「じゃあ一切れ……」
 言ってフォークを持って来ようと立ち上がりかけたと頃を手で静止された。
「良い、面倒だろう、ほれ」
 と、あろうことかホットケーキを一切れフォークの先に突き刺して差し出すギルガメッシュ。
 流石にこれには士郎も固まらざるを得なかった。。
 つまりこれは、俗に言う『あーん』と言うやつで。
「光栄に思え? 我自ら食わせてやろうと言うのだ。心して食すが良いぞ?」
「あー、えーっと……はい……」
 何か言い返すのも突っ込みを入れるのも忘れて、取り合えず士郎は大人しく頷いて、ホットケーキにかぶりついた。
「ふむ、こういうのも趣があって良い」
 寛大な王様気分なのだろう、満足そう士郎がホットケーキを租借する様を眺めるギルガメッシュ。
 ふんわりとした触感と甘い香りと、あと本の少しのほろ苦さが、口いっぱいに広がった。
 あぁ、明日はきっと吹雪だ。





24 (椎名) アンリと弓 



 唐突ではあるが、サーヴァントは正式な戸籍を持たないが故、ある程度身の振り方には多かれ少なかれ制約が付き物である。
 ランサーはどういう理由でかちゃんとしたバイトなどやってはいるが、それとてでっち上げの偽造された身分証明を使っているのだろう。 
 アーチャーもその気になれば出来ない事もないのだが、わざわざ身分を偽ってまで金を稼ぐのも気が引けるらしく、人知れず街の巡回や家事を率先してこなすに留まっている。
 ぶっちゃけ言うと、戦闘しないサーヴァント生活なんて気の抜けたコーラの様な物なのである。
 そんな味気ない生活に暇を持て余すサーヴァントに取って、日中を意かに時間を潰すかは最優先事項であると言えるのだ。
「つーか専業主婦と変わらないよなお前」
 コタツでごろごろしながらワイドショーを眺めるサーヴァントその一。
「お前はだらだらし過ぎだろう」
 呆れつつも、入れたばかりでまだ湯気を昇らせる湯飲みを手に取りお茶を一口啜る。
 ちなみに今回は今の気分でほうじ茶だ。
 午後になり掃除と洗濯物の取り込みを負えて、特に買い物の予定も無かったので一休み、とお茶を淹れて落ち着いた所だったのだが。
 今日はセイバーまで何やら買い物に出かけており、この組み合わせの二人でお留守番、というのは珍しかった。
 確かに自分の生活ぶりを省みると専業主婦と何一つ変わらないないのだが、別段アーチャーはそれを改善するつもりはない。
「てかさー、退屈しない? お前特に趣味があるって訳でもなさそうだし」
 じとー、とアンリは大して興味なさそうにコタツの机に突っ伏したまま欠伸を噛み殺した。
「さぁな。生前が忙しない生き方だったせいか、退屈という感覚が麻痺しているのかもしれん」
 正直、焦りはあった。
 毎日街を巡回していると言うのも、何も出来ていないという焦燥が成せる事なのだろうという自覚もあるのだが、それを退屈と呼ぶかどうかは今一つはっきりとはしない。
「ふーん、そんなもんかねぇ」
 言う目の前の少年は、期待に満ち溢れた瞳をしているくせに、常に詰まらなそうにどこか一歩引いた所から物を言う節がある。
「お前は、退屈なのか?」
 何の気なしに聞いてみれば、アンリの不適に笑みを刻む。
「いんや? まだまだ退屈しないぜー、お前とかからかうの面白いし」
「は?」
 油断したのは一瞬。
 しかしその一瞬の隙に伸ばされた手から逃れるのに間に合わず。
 気がつけば頬に不意打ちの口付けを受けていた。
「き、貴様いきなり何をっ!?」
 慌ててずざざざざ、とコタツから抜け出て後退り、顔を真っ赤にするアーチャー。
「さーあ? なんかしたくなったから? ひょっとしてオレがベースにしてる奴の影響だったりして」
「なっ!」
 何もいえずに口をぱくぱくさせているアーチャーを心底可笑しそうに腹を抱える小悪魔一匹。
「くくく……やっぱ……お前おもしれー!」
「う、うるさい!もう今日のオヤツは抜きだたわけっ!」
「えーそんな殺生なー」
「ふん、人をからかうからだたわけっ」
 日がな一日暇を持て余す留守番組みの、まぁ良くある日常であった。





25 (ペキ) 金士(槍弓の拍手NO23と連動っぽい)

「俺は、お前のことが好きだぞ」

紅茶を飲む王様に、いつものようにそう告げた。
一番最初に口に出した時は随分と勇気が必要だったが、今では割とすんなりと口に出せる自分に、少々驚いている。
もっとも、相変わらず心臓だけはバクバクいっているのだが。

「ふん、当たり前だ。貴様は我の所有物だからな」

俺の言葉に対するあいつの答えも、いつも通りだ。
相変わらず無駄に尊大な態度。
本当に当たり前だと思っているからなんだろう。
それが、少しだけ嬉しくて、ちょっとだけ寂しい。
多分、俺の言葉に対するギルガメッシュの答えはずっとこのまま変わらず、他の言葉が聞けることはないだろう。
あいつにとって、俺は所有物という認識で。
ギルガメッシュがその所有物についてどう思っているか、なんて、わざわざ「物」に聞かせる必要は無いからだ。

「うん、そうだな、当たり前だ」

けれど、あいつにとっては当たり前でも、俺にとっては特別なことだ。
誰かを好きになる資格はないと、そう思っていたから。
だから、「自分に好意を抱くのは当然のことで、自然なことなのだ」と言い切り、それを空っぽな俺に有無を言わさず納得させてしまうような王様は、本当に特別だ。

だからこそ、俺は何回も好きだと口に出そうと、そう思う。
何度でも、何度でも、当たり前のことを。言葉しか俺には持っていないから。
ギルガメッシュが所有物をどう思っているか、彼の言葉で知ることはできない。
けれど。

当たり前の言葉を聞いた時の、ほんの少し楽しそうな顔。
それこそがアイツの答えだと、そう信じているのだ。





26 ILLUST byペキ

アンリミテッドコードのナインライブズブレイドワークスが好き過ぎてそればっか狙いに行って負ける自分です。
斧剣かっこいいです、斧剣。
あれでアーチャーやランサーやギルガメッシュや言峰をコテンパンにできたらさぞかし快感でしょう。
あまつさえ勝利台詞で「立てよ……ここからだぜ」とか言ってくれれば完璧です。 まぁ私の腕では無理なんですが。




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